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近年、環境問題が脚光を浴びるなか、地球温暖化ガスの「排出権取引」という言葉を耳にすることが多くなった。しかし「いったい排出権取引とはなんだろう?」と疑問に思う人も多いのではないだろうか。今回はその排出権取引について触れてみよう。
「排出権取引」とは、地球の気温を上昇させる原因、地球温暖化ガスの一つCO2などの排出権を資本主義市場で取引すること。こうした取引は「温暖化防止に逆行するのでは?」と言う声も聞かれるが、排出権取引の仕組みを調べてみると、通常の市場とは異なった特徴を持っているのが分かる。
排出権取引市場が動き出すためには、まず国がCO2排出の削減目標を定め、それを企業別に割り当てることから始まりまる。そして企業ごとにCO2排出量の上限を決め、目標を課す。これは、CO2排出量の削減目標を企業に配分し、義務付けることとなり、企業ごとに市場で競争させる。その結果、省エネ技術に優れた企業が全体のCO2削減のコストを引き下げ、国家的な削減目標を効率的に達成することができるということに繋がる訳でである。
確かに、排出権が市場でいくら取引されるようになっても、CO2が削減される訳では無いのだが、各企業が公的に確認されたCO2削減量の目標と排出状況を正しく公表し、責任を果たしていくことこそが重要なのである。そのためにも、世界的に進めている排出権市場が有効に機能するように、「国際的枠組みを強化し、削減義務を果たしていかなければならない」という動きになってきているのだ。
温暖化ガス削減の方法として排出権取引を提起したのは、1997年の京都議定書だ。EU(欧州連合)は、排出権取引市場の発展にいちばん熱心に取り組んでおり、2020年までにCO2排出を90年比で20%削減する目標を掲げている。05年1月に欧州排出権取引制度(EU・ETS)を発足させ、06年の世界の排出権取引推定額300億ドル(約3兆5000億円)の8割はEU・ETSだといわれている。
日本の経済産業省と財界は、排出権取引制度の国内創設には反対の意志を示している。日本経団連は最近の提言のなかで、「日本では導入すべきではない。排出枠を行政が決定することは官僚統制を招き、企業の自主性を阻害する。また、産業構造等、将来の経済状況が正確に予見できないなか、衡平な排出枠の割当を行なう仕組を構築するのは困難である」との見解を述べている。しかし、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のパチャウリ議長は、来日した際の記者会見で「日本も排出権取引を導入すべきだ」と述べたのは、まだ記憶に新しい。
日本における排出権取引制度はまだまだ賛否両論ではあるが、導入する、しないはさておき、このままの状況では地球温暖化(CO2排出)は着実に歩みを進め、私達の生活に多大な影響を及ぼしてきているのは事実なのだ。
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