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道産バイオ燃料の実現−
道内でもバイオエタノール導入に向けた動きが活発化してきた。産学官連携のもと、今年5月に設立したJAグループ北海道バイオマス利活用検討委員会(服部昭仁委員長)では、北海道におけるバイオエタノール等の可能性を「原料」「製造」「流通」の3点から模索。農業団体と石油業界の両立場から見た問題点などを浮き彫りにさせ、実現化を目指している。
◎「農業振興」目的に−
JAグループ北海道バイオマス利用法検討委員会は、減反など厳しい現状にある道内の農業を再び振興させよう―という目的で、今年5月に発足した組織。北海道大学農学部の服部昭仁副学部長を委員長に、大学研究機関や道農政部など行政、JA北海道中央会やホクレンなどのJAグループらが参画し、バイオエタノールなどの可能性を様々な角度から探っている。
委員会は4つの部会から構成。バイオマスの原料となる農作物の確保などを検討する「企画原料部会」、バイオ燃料の製造方法などを考える「製造部会」、燃料の備蓄や輸送、販売方法などを検討する「流通部会」、ガスとしての利用策を考える「バイオガス部会」がある。
◎十勝からエネルギー発信−
同検討委が考えるバイオマス利用の骨格は、平成14年に閣議決定したバイオマス・ニッポン(=バイオマス・ニッポンはことばーど参照)の「地産地消」。バイオエタノールの原料となる甜菜や小麦などは、畑作王国の十勝が宝庫。同検討委では十勝で作られる甜菜や規格外小麦、くず米を利用して、バイオエタノールを道内で製造、グループのホクレン系SSなどで供給するというサイクルのシナリオを模索している。
ただ、関係者によると、現段階で同検討委が正式決定しているのは「バイオエタノールを製造する」という点のみ。税制の問題や販売価格など、同検討委単体では判断がつかない部分も多く残っており、道のりは決して平坦ではないという。 |
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◎道のり厳しく−
原料の分野で、課題の一つに上げられているのが「生産体系の崩壊」。十勝では畑を3〜4つに区画分けし、ジャガイモとビート・甜菜、小麦などを順番に作っていく「輪作」が一般的。仮に、バイオエタノール製造に必要な甜菜や小麦の生産量を増やしたいとなると、これら輪作の体系を見直さなければならない。

現状、WTO(世界貿易機関)農業交渉で自由化にさらされている北海道の農業事業者の多くは、「作付けが減る」「作っても高い」「買ってもらえない」といった悩みに直面しており、所得格差もここ数年、顕著にあらわれているという。
そうした背景から、近年は離農者も多く出ており、畑が余っているのも実情。そうした畑を「エネルギー作物として再利用」できる点では、メリットも大きいが、全体の供給量でバランスを保つには、既存の流通経路のほかに販路の変更の必要も迫られる。原料に想定しているビートや食用にならない規格外の小麦や米の多くは、すでに販路が決まっており、それらを安く、大量に調達することが採算性に大きく左右するからだ。バイオエタノール需要をカバーするために、原料となる甜菜や小麦の生産の見直しを図るとなると、土を維持する働きとともに土壌病害虫の防除効果も大きい「輪作」への影響が検討課題となっている。
また、農作物の多くは秋に出来る。こうした作物の収穫期と異なり、バイオエタノール需要は一年中必要とされる。生産サイクルの違いからくる需給のギャップも埋めていかなければならない。さらに、甜菜や規格外小麦からエタノールを作るには、それらの発酵に必要な「酵母」も研究課題だという。 |